復興特別所得税

復興特別所得税に関しては国税庁で案内しています。

詳しいことは、国税庁に任せるとして最低限知っておきたいことを書きます。

適用期間

平成25年1月1日~平成49年12月31日までの25年間。
ここで、平成24年12月分の給与を平成25年の1月に支払う場合、
たとえ発生ベースでは平成24年12月の給与だとしても、会社で定められれている支給日が収入とすべき時期となりますので、原則平成25年1月の給与所得となり、復興特別所得税の課税対象となります(所得税法36条1項、所得税基本通達36-9)。

課税対象

  • 利子、配当所得
  • 給与所得
  • 退職所得
  • 公的年金等
  • 報酬、料金等
  • 非居住者等の所得

株式の配当や士業へ支払う報酬等に関しても復興特別所得税が課されます。

計算方法

復興特別所得税は所得税額の2.1%ですが、復興特別所得税だけ単独に計算するのではなく、所得税と併せて一緒に計算することになります。
要するに、源泉徴収すべき所得税と復興特別所得税の合計額=支払金額×所得税率(%)×102.1%(1円未満切捨) 。
具体的には、所得税率が10%なら10%×102.1%の10.21%を支払金額に乗ずれば合計額となります。
ややこしい気もしますが、納付は通常の所得税と復興特別所得税を分けて行う必要はありません。
1枚の納付書で行うことになりますから、給与所得に関しては平成25年分 源泉徴収税額表を使用して、いつもの方法で行えば大丈夫です。

ちなみに、源泉徴収を要する報酬等に関しては、税理士への100,000円の報酬(消費税は考慮しない)を例にすると以下のようになります。

  • 従来は
    • 100,000×10%=10,000円を源泉徴収として控除して、90,000円を税理士へ
  • 平成25年1月1日以降は
    • 100,000×10.21%(=10%×102.1%)=10,210円を源泉徴収として控除し、89,790円を税理士へ

※上記の例で、10.21%を乗じた結果1円未満の端数が生じた場合、切り捨てになるので注意

年末調整

年末調整では、以下の所得税と復興特別所得税の合計額を年末調整額とします。
年末調整額:((通常の)算出所得税-住宅借入等特別控除)×102.1%(100円未満切捨)
住宅借入等特別控除を差し引いた後の所得税額に102.1%を乗じる点は注意してください。

その他

今までは復興特別所得税の話ですが、復興特別税の対象となる税目は所得税・法人税・住民税の3点ですから、復興特別法人税もあります。
復興特別所得税との関わりから見ると、法人の場合、源泉徴収された所得税及び復興特別所得税の額は、所得税の額は法人税額から、復興特別所得税の額は復興特別法人税額から控除することができます。

計算上それぞれ別々に控除されますので、ここで源泉徴収された所得税及び復興特別所得税の額を、所得税の額と復興特別所得税の額に分けなければなりません。
この按分計算は原則として支払を受けるごとに行います。
具体的には次のように計算します。

①復興特別所得税の額

所得税及び復興特別所得税の合計額×2.1/102.1(50銭以下切捨て、50銭超切上げ)

②所得税の額

所得税及び復興特別所得税の合計額△①の額

ただし、国税庁の「平成24年版 法人税申告書の記載の手引」には、上記の方法など合理的な方法により区分するとしていますので、その方法は限定はされていませんが基本的には毎回同じ方法で按分することになります。
しかし、さすがにこの按分計算を支払を受ける都度することは大変ですので、預貯金の利子及び合同運用信託の収益の分配に係るものについては、期末に一括して按分計算を行ってもよいとされています。

長くなりましたので、復興特別法人税については機会があれば・・・ということにします。