交際費への課税
H25年改正以前、法人が支払った交際費は、
- 大企業(資本金1億円超):全額が損金不算入
- 中小企業(資本金1億円以下):600万円以下の部分につき、90%相当額まで損金算入可能
- 外部関係者を交えないいわゆる社内飲食費は除かれていること
- 以下のような一定の事項を記載した書類を保存する必要があること
- その飲食等があった日
- その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称とその関係
- その飲食等に参加した者の数
- その飲食等のために要する費用の金額並びに飲食店、料理店等の名称及びその所在地(ただし、店舗を有しないこと等により不明な場合には、領収書等に記載された氏名・住所等でよい)
- その他参考となるべき事項
という扱いとなっていました。
「損金」とは、法人税を計算するうえでの経費(費用)と思ってください。
すなわち、損金不算入=経費にできない。損金算入=経費になる。
そうすると、損金=経費となれば法人税の額が少なくなることになります。
今回、この中小企業の制限が緩和されました。
今後は、10%カットがなくなり、限度も800万円まで広がります。
800万円までは、丸々損金=経費になるということです。
中小企業の社長にしてみれば最大260万円分、損金の幅が拡大することになります。
いつから拡大?
では、いつから限度額が広がるのでしょうか?
それは、
平成25年4月1日~平成26年3月31日
に開始する事業年度
とされています。
決算が3月の会社だと、今年の4月から適用されます。
決算が9月の会社だと、今年の10月からの適用です。
改正されたという知識だけで、バンバン交際費を使わないでください。
あくまでも、新事業年度からの改正だと思いましょう。
ついでに会議費
H18改正で1人当たり5,000以下の飲食代は、交際費の範囲から除外できることは、
みなさんご存知かと思います。
「会議費」という名称を使っているので、社員だけで飲食したものも含んでいませんか?
措法61の4④・68の66④、措規21の18の2・22の61の2に規定されています。
を忘れないでください。
税理士の目
今回の改正は、国内の設備投資や個人所得の拡大を図り、消費需要の回復を通して経済成長を達成するために企業関連では減税中心の税制改正となっています。
自民党税調の資料では、中小法人の交際費支出額の平均額は、利益を計上している法人で160.3万円、赤字法人を含めたすべての中小法人で94.7万円となっています。
今回の引上げ措置により、多少の交際費支出額は増えるかもしれませんが、あくまでも会社があってこその交際費です。
枠が広がった=交際費を使ってもいいという訳ではありません。
中小企業にとっては、まだまだ厳しい経済環境です。無駄な出費は控えましょう!